学習する子どもたちを支える制服産業
菅公アパレル株式会社 東根占第一工場
「カンコー学生服」、このブランド名を聞いて知らないという人は少ないのではないか。制服や体操服を手がける学生服メーカーだ。
1854年、綿の産地として栄えた岡山県倉敷市児島地区にて創業後、綿糸の卸売業、袴地、帯地、織物など、その時代に求められる衣料に寄り添いながら歩んできた。現在は全国各地に工場をかまえ、誰しもが経験する学生時代の衣料を支えている。
南大隅町根占横別府地区。根占地区中心部から横別府坂を登り約15分。坂道を100mほど直進した左手に、菅公アパレル株式会社東根占工場はある。
車を乗り入れると、広々としたグラウンド。そこに駐車している車の数に驚く。話を聞くと、約50名ほどのスタッフが働いているという。世代は50~60代をメインに、20代、30代、40代と幅広い。
東根占工場で手がける学生服は、主に「上物」と呼ばれるジャージの上着と体操着だ。それらを製造する工場は、広々と明るく、手元が見やすい。
操作するミシンは「立ちミシン」と呼ばれる工業ミシンで、家庭用ミシンに比べてサイズが大きく、速度も速い。作業自体は分業制になっており、スタッフそれぞれが担当箇所を織り上げる。スタッフ皆さんが力を合わせて、一着の体操服が作られるというわけだ。
しかし、工業用ミシンを扱う作業とは、誰にでもできるものではないのではないか…?その不安に対し、「初心者の方でも、全然大丈夫です」と声をかけてくれたのは、求人を担当する白石茂毅さんだ。
「縫製業って、やはりとっつきにくいというところもあると思うんです。ですが、入ってみたらわかると思うのですが、最初の練習期間を十分に設けてあり、操作もきちんとお伝えします。なので、初心者の方でも大丈夫です。練習して少しずつミシンに慣れてもらい、簡単な作業から行ってもらいますので、安心して応募していただきたいです」と話す。
入社後の流れとしては、まずはミシンの基本的な操作や縫い方を教わる。その後、実際にミシンを使い、十分な練習を重ねた後、工場へと出ていく。最初の研修期間は約一ヶ月。この時に担当してくださるのが白石さんだ。研修を終え、工場に出るようになると、先輩スタッフが縫製の技術を指導してくれる。技術が身についてきたら、体操着のどの部分を担当するか、配属先が決まっていく。
また、職場の環境について、「子育て世代をふくむ女性が中心の職場です。学校に携わる企業ですので、入学式や卒業式といった学校行事はもちろん、お子さんの体調不良など、休みを取りやすい環境があります」と白石さん。
「働く時間帯についても相談可能ですし、社員とパート両方の募集をしています。現在お近くに住んでいる方はもちろん、移住してきた方の働き先としてもぜひご検討いただけたら嬉しいです」と話して下さった。
南大隅町内においては、ご高齢の農家さんたちを中心に〈尾崎縫製〉の名で親しまれる菅公アパレル株式会社。若い頃に勤めていたことがあるよ、と話して下さる方も多い。
初心者に丁寧に作業指導してくださり、勤務の相談にのってくださる。そうした頼れる存在がいることが、職場の働きやすさにもつながっているのではないだろうか。仕事内容や環境について、少しでも気になる方は、まずはぜひ一度、菅公アパレル株式会社まで、お気軽にお問合せいただきたい。