駿河木材さん
林業は仕事を目にする機会もほとんどなく、身近に感じることはなかなかないと思いますが、山の仕事は空気や水を作る環境を守り、木材を提供してくれる、人の暮らしにとってとても大切な産業です。
今回(H31年2月21日)、駿河木材社長、大竹野千里さんに伐採現場を案内していただきながら、山のこと、お仕事のことをお聞きしました。
連れて行っていただいた現場は、台風被害のあった山の皆伐で、倒れた木の伐採など危険な現場だったそうです。伐り終わって搬出された木の中には、まだ細く育成途中だったものも多く、自然相手の厳しさを感じます。
これから苗を植えるために、倒れた木を脇に寄せる作業など(地栫え)がなされます。
現在の主な仕事は主伐
今回の現場のほかに、現在は国有林を中心に、主伐を行っています。
林業は時間的にとても長いスパンで行われます。苗を植えて数十年育てる間、苗が小さい時期の5年ほどは草刈りを行い、大きくなってくると間伐(間引き)をして木材として価値の高い木に育てていく作業が必要です。そうやって25~50年ほど育てた木を伐ることを、主伐といいます。
林業は危険な仕事なので、とにかく安全第一!を心がけているそうです。機械類はすべて有資格者による仕事です。資格がなくても入社してから会社の補助で資格を取得できます。駿河木材さんは、高性能林業機械を6台保有しており、現場ではフォワーダとグラップルという機械が仕事をしていました。
「道のないただの山に道を作り、10年後どんな森を作るのかを見据えて間伐する。」
などのお話を聞くと時間的にも空間的にもとても想像力が必要だなと思いました。
植林
9ヘクタールの植林現場を見学させていただきました。
皆さん、2.5mの棒を持って間隔を図りながら、背中に背負っている苗を1本ずつ植えていました。
和気あいあいとお仕事をされていて、気さくに話しかけてくださいました。
「寡黙で厳しい山の男」という私の勝手なイメージとは全く違いました(笑)
お仕事について
働くうえで大切なことを社長に聞いてみました。それは「山で働きたい!」という興味、意欲があることだそうです。大変なお仕事だけに「好き!」が力になるのだなと思います。12月~3月の植え付けと夏の下草刈りには人手が必要で、短期の求人があります。林業に興味がわいたら、まずは短期のお仕事をしてみてはどうでしょうか。
駿河木材さんは、地域の山のこと、働く方の暮らしなどとても大切に考えられていました。
きっと、お仕事としてだけでなく、様々な学びがある職場だと思います。
新しい事業に取り組むなど、意欲的な会社です。